暗闇を見ている

夕方にスマホで音楽を聴いていて、何となく「今何してるの?」と聞いたら「暗闇を見ている」と返事が返ってきた。

独特だ。

自分なら多分「何もしてない」と答えたように思うから。

別に自分の感性が標準というわけではないと思うが、それでもチキン(ニックネーム)の感性には自分にはない何かを感じることが多い。

先程も使用後の小皿に置いてあったティーバッグの絵を描いていた。

これも独特だ、と思う。

自分とは違う何かが、見えているのだ。

一方自分は部屋にあるゴミ箱を不注意で倒したり、柱などに脚の小指をぶつけたりと普通の人が見えているものが見えていないときがよくある。

なんというか、ボンヤリしている。

昔のことも次から次へと忘れていってしまう。

視界も、記憶も、何かとハッキリしていないことが多いのだ。

でも聴覚はちょっと違う。

チキンは聞こえないハズの音が聞こえたりするようなのでちょっとそれには及ばないが、かなり小さな音でも自分はよく聞こえる。

こう考えてみると自分も普通という感じではなかった。

暗闇の中で光るスマホを見ながら、そんなことをふと考えていた。